萌絵は感心したようにうなずくと、

「でもさ、良かったじゃん」

と、笑った。

「うん」

「未希も部活することになったわけだしさ」

「うんうん」

「それに初恋の人と一緒の部なんて最高じゃん」

「うんうんうん……。は?」

萌絵はニヤリと笑うと、私の耳に顔を寄せた。

「あのベンチの彼のこと、ボーっと見てたの知ってるんだからね」

「ばっ……」

「あ、赤くなってる。わかりやすーい。未希って、免疫なさすぎ」