「なんで?」

もう敬語を使うことも忘れて尋ねる。

「だって正式な部にしたら、いろいろと制約ができちまうだろ? 部員だって希望者が来たら入れなくちゃならないし、顧問の先生だって必要じゃん」

「それがイヤなの?」

「ああ。俺たちは自由に依頼を解決したいわけ。だから、しばらくはまだモグリでいいんだよ」

「へぇ。そういうもんなんだ?」

「そういうもん。そんなモグリの部に入れるんだから、未希は光栄に思えばいいんだよ」

「それはどうかわからないけどね」

あまり調子に乗らせるのもしゃくなので、あえて興味なさげにしておく。