「なにごとも慎重にこしたことはありませんから。だからすぐに決めろとは申しません」

「はい」

「とりあえず、仮の入部ってことでいかがでしょうか?」

首をかしげて言うその姿が、いかにもサマになっている。


「仮の……入部、ですか?」

「それいいじゃん。ひとつ依頼を解決するまでやってみようぜ」

決まり、とでも言いたそうに涼が手を打った。

「それでいいかしら?」

そう尋ねる亜実に、もう断る理由はなかった。

「わかりました。じゃあ、少しだけ体験させてください」


よろしく、というつもりで頭を軽くさげた。