「亜実、未希はさ、あのフォーチュン占いのおばあさんの孫なんだぜ」

なぜか自慢げに涼が言うと、亜実はその大きな目を少し見開いた。

「まぁ。涼がよく言っていたあの占いの?」

「そう、あの占いの。もう、これは入部しかないっしょ」

私の右に腰をドカッとおろした涼。

「未希さん、うれしいわ。私たちは困っている人を助けるための『お助け倶楽部』を結成しているんです。それに賛同してくださるなんて、とっても心のやさしい方なのですね」


まだ亜実の手に包まれている自分の手を見る。


「でも、私……なにもできませんよ?」

「大丈夫です」

亜実。

「大丈夫だ」

涼。