いつの間に……。

それと同時に、自分がまた怒鳴ったことにようやく気づく。


また……やっちゃった。


「お嬢様、ご協力感謝いたします」

ふたりの警官は最敬礼をしてから、板垣先生に近づく。

「事情は署で伺うから」

そう言って腕を持った警官の腕を、

「やめろ!」

振りほどこうとわめく板垣先生の目にはヒカリだけが映っている。

「ヒカリ! 愛している、愛しているんだ!」


もうヒカリは泣いていなかった。