「でもやり方がダメだ。人を傷つけてまで自分が幸せになろうとするなんて、あんたそれでも先生なのか?」

「う、うるさい!」

また爆発。

「だったら妻はどうなんだ! 俺を傷つけてさっさと他の男と一緒になったんだ。俺は、俺は……」

体を小さくして泣き声を出した板垣先生は、またすぐに顔をあげた。

「ヒカリを愛している! 愛している! たとえ離れても、必ず戻るから!」


あれ……?


また胸がむかむか。


「落ち着け」


短く警告を出す涼は、まるで私のことがわかっているみたい。