『僕言わないよ。ぜったいに言わないよ』

『ダメ。帰さない』

『だって、約束したもん』


しばらく無言が続き、また声が聞こえる。


『……ごめんね。君には死んでもらわないと』


「やめて!」

ヒカリが声をあげて立ちあがろうとするのを、涼が強引に座らせる。

「離して、大地が!」

「大丈夫。それより、まだ証拠がない」

少しあせったように涼が言う。


証拠……?


『お願い、帰りたい。僕なんにも知らないもん』

大地の声が泣きそうになっている。