『……余計なこと言ってない?』

その声を聞いて私はヒカリと顔を見合わせた。


知っている、この声……。


『言ってない。ごめんね、だけ言ったよ』

『それは?』

ガサガサと雑音が続いた。

『ケーキか……。ふん』

『帰りたい』

『……』

『帰っていいの?』


大地の問いかけに、その声が言う。

『ダメ。帰ったら本当のこと言うから』