「なにこれ?」

黒い携帯電話みたいだけど、けっこう大きい。

側面についていたスイッチを入れると、涼は私を見てニヤリと笑った。

「ショーのはじまりだ」


ザザ……


ザザザザ……


雑音が続くなか、ダイヤルのようなものを涼は動かしている。


「これって、トランシーバー?」

「まぁ、似たようなもん」

「説明してよ」

文句を言う私に、やれやれとおどけた顔をすると、

「これは受信機」

「受信機?」