「……」

渡された紙袋をじっと見ながら大地は、はじめて涼を見た。

「家に帰って待ってろ。お姉ちゃんもすぐ帰るから。そしたら仲直り、な?」

こくん、小さくうなずいた大地は向きを変えると走って行った。

「ねぇ、涼」

「シッ」

短くそう言うと、涼は、

「さぁ、帰るかぁ」

と、立ちあがって伸びをした。

「ほら、行くぞ」

そう言うなりベンチの後ろの方を指さす涼。