「もうしないよな?」

涼が身を乗り出して大地の頭をなでた。

黙ってうなずく大地からヒカリへ視線を移す。

「許してやれ。もうやらないって誓ったし」

「でも……」

「良かったな、大地。お姉ちゃん許してくれるってさ」

ヒカリの言葉をさえぎって涼はそう言うと、足元においてあった紙袋を渡した。

「……なにこれ?」

ようやく違う言葉を言った大地に、涼は大きな声で言う。

「これな、駅前で売ってるケーキ。ここのチーズケーキはうまいんだ。ほんとはこの後みんなで食うはずだったけどさ、大地が正直に言ったごほうびにやるわ」