ザッ ザッ

足音はやがて近づき、その姿がクリアになってゆく。

やがて全身がわかる位置まで来ると、ヒカリの息を呑む音がした。

ゆるゆると立ちあがろうとするのを、涼がその肩を持って座らせた。

「なんで……なんで……?」

うわごとのようにつぶやくヒカリは、目を大きく開いてその人物を見た。

「……お姉ちゃん」


泣きそうな声でそう言ったのは、大地だった。


くちびるをぎゅっと閉じて、地面を見ている。

「ウソでしょう? ねぇ、大地」

ガチガチと歯が鳴っているヒカリは、信じられないと何度も何度も首を振った。