「うるせーよ。……言われなくてもわかってる」

そう言うと、元弥は言葉を選ぶように少し黙った。

沈黙が流れるこの部屋の中、やがてその声が。

「ヒカリ」

もう、顔色も戻り、落ち着いた顔と声の元弥が静かにその名を呼んだ。

「……はい」

ハンカチを口に当てながら、答えたヒカリ。

すうっ、と大きく息を吸った元弥が笑った。


「君が好きだった。ずっと、好きだった」


ああ。


彼の未来が愛情に包まれる。


占いは間違っていなかったんだ。