「ねぇねぇ」

その時、前に座る萌絵がまゆをひそめてヒソヒソ声を出した。

「ん?」

「あたし、全然話についていけてないんですけど?」

まぁ、そうだろうなぁ。

私も、正直展開が早すぎて、あの占いの意味に気づけなかったら取り残されていただろうし。

「あのね、元弥さんとヒカリさんはお互いを想い合っていたけど勇気がなくて踏み出せなかったの。それでぎくしゃくしてたわけ」

もう小声でもなんでもないけど仕方ない。

みんなの表情や反応は気にせずに、とりあえず萌絵だけに説明する。

「え? そうなの?」

「そうなの」

へぇ、といった顔をしながら萌絵は口を開けている。