「ヒカリに恋人できちゃうと、悲しいから……。だから、元弥を好きなフリしてたの。ほんと、ごめん!」


気づいていた。


博美の呪縛が解けているのを。

ようやく隠していた事実を伝えることができたのだ。

ウソの日々が終わり、夜明けが博美にも訪れる。

なんとか状況を理解したヒカリの顔がみるみるうちにゆがみだす。

「もうっ……。博美のバカ! 私、悩んだんだよぉ……」

ヒカリのほほにひとすじの涙が今、こぼれる。

「うん……」

「それに、私はどこへも行ったりしないよ。博美、そんな薄い友情だと思ってたの?」

泣きながらもう、ヒカリは笑っていた。