亜実の声にまだ躊躇したような顔をしていた元弥は、自分を心配そうに見ているヒカリの視線に気づくと肩を落とした。

「階段から転がり落ちたんだ」

「道で転んだんじゃなかったの?」

ヒカリのつぶやく声に、ため息をつく元弥。

「カッコ悪いだろ、階段から落ちるなんて。でもさ……」

言葉を切る元弥に、さらに亜実は質問を続ける。

「誰かに後ろから押された、ってことはないですか?」

「なんでそれを……」

言いかけた言葉を元弥は飲みこんだが、もう遅い。


ヒカリの表情が青くなった。


ストーカーが突き落したんだ……。