良かった……。

「私……。気を失ったの?」

「しょうがねぇよ。驚くだろうし」

私のベッドに腰かけて涼が言った。

なんだかやさしい。


それより、ここは……。


あ、保健室だ。

「一体ヒカリさん、なにがあったんですか?」

状況がようやく理解できた私が質問をした。

「帰ろうと思ったら、急に誰かに頭を殴られたみたい。まだ頭は痛いけど、大丈夫」

後頭部を押さえながら「イテテ」と顔をしかめてみせるヒカリに、安堵のため息が漏れた。