「バカ、寝てろって」

こつんと私の頭を叩くその顔。

「涼……。私……」

自分の声を聞いているうちに、さきほどの出来事が思い出される。

「そうだ、ヒカリさんは!?」


ヒカリは無事だったの!?


あんなところに押し込められて!


「私は大丈夫」


「え?」

右側を見ると、ベッドに上半身を起こしているヒカリがいた。

「未希さんが助けてくれたんだってね。……ありがとう」

若干顔色が悪いが、気丈に笑みを浮かべている。