同じように、上履きのまま裏口から出ようとした私の目になにかが映る。


……ん?


ふりかえると、廊下と今どきめずらしい公衆電話、そして掃除道具入れ。

横には職員室の入り口が……。

「なんだろう……」

とっくに外に出たふたりがいぶかしげに私を見ている。


なにか違和感があった。


「ちょっと、待って」

そう声をかけてから、改めてもう一度、順番に見てゆく。

廊下と、公衆電話、そして掃除道具入れ……。

「……」

人は本当に驚いたときには声が出せないらしい。