「あの……さっき、【知らない世界】って言いました?」


そう、たしかにさっき彼が手に取ったのは、『宇宙』の絵のカードだった。


「ああ、言ったよ」

当然、と言った感じで彼はうなずく。

「えっ、でも……」

この占いカードはおばあちゃんの手作りだし、他には誰も知らないはずなのに。


なんでこのカードの意味を知っているの!?


不思議に思った私が、もう一度口を開こうとしたその時、

「名前は?」

そう言って彼は、器用に机に置かれたカードを手早くまとめた。