亜実が手帳を取り出すとそこに『佐野元弥』と書いた。

「他にはどうでしょうか?」

「やっぱ、あれだろ。藤森博美」

ヒカリの親友らしき人物。

まぁ、彼女に近い人物としては外せないのかも。

それもすばやく丁寧な字で書きとめると、亜実が首をかしげた。

「担任の先生……板垣先生はどうでしょうか? あと、調理部の顧問の長谷川先生は?」

「えええ? 先生まで疑うの?」

だって、いくらなんでも先生は……。

「わかんねぇぞ。『遅咲きの狂い咲き』って言葉もあるくらいだからな」

「そうですね」

ふたりが揃って言うので、私もしぶしぶうなずいた。