「でも、護衛もさすがに校内には入れないから、そこんとこは未希たのんだぞ」

「……わかった」

そうは言ったものの、私が役にたつとは思えない。

あっという間にストーカーに突き飛ばされるのがオチだろう。

いや、突き飛ばされるくらいならまだいい方かも。


もし、殺されでもしたら……。


背中が急にゾクッと寒くなった。

「萌絵、私もその護身術教えて」

「だから護身術じゃ……ま、いいや。了解!」

半ば投げやりな萌絵が片手を挙げて言った。

「とりあえず、ストーカーを探さなきゃな」

涼がペンとメモ帳をヒカリに渡した。