「亜実にたのんだ。今夜から、ヒカリのそばにはバレないように警護をつけてもらうことになったから」

その言葉にヒカリが目を丸くする。

「警護?」

「ああ。もちろんプロの人だ。夜もぐっすり眠れるぞ」

安心するかと思いきや、ヒカリが両手を横に振った。

「困る。そんなお金ないし」

「大丈夫さ。支払うのは亜実だし」

なんでもないように言う涼。


困ったヒカリの視線が私のほうへ来たので、私も「大丈夫」と声には出さずに口だけ伝えた。