やがて、ため息とともに言葉がこぼれる。

「このメールが来た次の日、私の部屋に泥棒が入ったんです」

「ええええ」

萌絵が大きな声を出す。

「警察にも言いましたが、犯人はわかりませんでした。学校から帰った大地が私の部屋が荒らされているのを見つけたんです」

「盗られたものは?」

「……ない、と思う。荒らされてはいましたけど、特になにもなくなっていなかったんです」

「ふむ」

涼があごに手をやって考えるポーズをとる。