メールを見終わった私たちは無言で顔を見合わせた。

「これってヤバいよね」と、さっきと似たようなことを言う萌絵にためらいなく同意できた。

「このメールから、急に呼び捨てになってるな」

涼に言われて気づく。


ほんとだ、『ヒカリ』って呼び捨てになっているし。


髪をフワッと耳にかけながらヒカリは口をぎゅっと結んでいる。

「実際そういうことがあったのか?」

涼の質問に、「そう」とうなずいたヒカリは苦しそうに顔をゆがませた。

「その日はクッキーを作ったの。でも大量にできちゃったから、たまたま帰りに会った同じクラスの男子に少しあげたの……」