ほんっと、上級生にさえこういう話し方なんだなぁ。

キョロキョロと私と萌絵を見ているヒカリに、

「うちの部の部長です」

と、紹介するとようやく気が抜けたようにベンチに座った。

その隣に涼がスッと腰かけ、その隣には萌絵が。


……私は立ってろ、ってことか。


「正式に依頼いただいてありがとう。じゃあ、さっそく話聞かせてもらおうか」

マジシャンのような早業で、涼はペンとメモ帳をかまえている。

すっかりペースを狂わされたヒカリは、

「あ、うん」

と、言ってカバンからなにやら取り出した。

それはピンクのカバーがついたスマホ。