「ほら、笑わないと怪しまれるから」

「こ、こう……?」

不安げな表情のまま口角をあげるヒカリに、萌絵が、

「うん。すっごく不自然だから、それ」

と、満面の笑みを浮かべた。

「そんなこと言われても……」

「さ、歩いて。仲良さげにしなきゃ」

先に歩き出してヒカリに合わせさせる。

「は、はい」

すっかりペースを狂わされて、それでもなんとか歩き出すヒカリ。

「誰も見てないような気がする。今のとこ安全っぽい」

われらが護衛係が報告してきた。