「その弟……えっと、大地君だっけ? ずいぶん歳がはなれてるよねぇ」

萌絵が前を歩くヒカリの後ろ姿を見ながら言ったので、「ああそうか」と今更ながら気づいた。

「大地君が小学3年生って言ってたから、そうだよね。年齢差の大きな姉弟だね」

「周りについてきている人はいないみたい」

さりげなくあたりをうかがいながら、萌絵が報告してくれた。


ほんと、頼りになる用心棒。


「よし、じゃあ行く?」

「もちろん!」

目を輝かせた萌絵が親指でオッケーと言った。

それを合図に、私たちは走り出す。