「こういうときだけ先輩ぶっちゃってさ」

「なに!?」

眉のあたりがピクンと動いた涼の目が険しくなる。

そういうのが先輩ぶってる、って言うんだよ。


まったくもう……。


「やります。やればいいんでしょ」

降参よろしく両手を挙げてみせると、満足そうに涼は、

「よろしい」

と、うなずいた。


……いいや。


こうやって涼のイヤなところをたくさん見つければ、この気持ちも早く消えてくれるかもしれないし。