「て、ことでよろしくな」

このまま話がまとまっちゃいそうで、アセりからか汗がふきだす。

「ムリムリ! ちゃんと3人で協力してやろうよ」

神様に祈るみたいに両手を合わせた私に、「あら」と心外そうに亜実は目を丸くした。

「協力はしますよ。ほら、この名簿に情報が載っています。ヒカリさんは『料理部』に在籍されているようです。写真も、ほらこんなにくっきりと」

亜実が生徒名簿を開いて見せてきた。


いや、それはありがたいんだけど……。


「そうじゃなくってですね、実際に会うのが私ひとりっていうのがちょっと……」

精一杯の抵抗もむなしく、涼は「アホか」と切り捨てる。

「文句言うな。こういうのは新人の役目だ」