隣の涼を自然に見やる。


好きな人から好きになってもらえる確率って、どれくらい?


一方通行の恋の方が、絶対にこの世には多いと思う。


小さくため息。


「とりあえず、この依頼を受けるかどうか決めましょう」

亜実の言葉は涼に向けられていた。

「なんで俺を見るんだよ」

「だって、不満なんでしょう?」

ズバッと言い切る亜実は、人間観察にも優れている。

「不満なんかねぇよ。ただ、小学生からの依頼は受けたくないだけ」

腕を組んだまま、すねた表情をしている。