「まったく、どうなってんだよ。この間は幽霊、今度は小学生かよ」

頭をかかえて叫ぶ涼を、「まぁまぁ」となだめながらソファに座る。


いつもの生徒会室。


向かい側に座るのは、生徒会長である亜実。

今日も背筋をピンと伸ばして、口には軽く上品な笑みをうかべている。

「つまり、相馬大地さんは、実のお姉さまが殺されるかも、と心配されているわけですね?」

メモを取りながら亜実が聞くので、私も自分の調査ノートを取り出す。

「そう言ってた。お姉さんの名前が、ええと……」

「相馬ヒカリ。3年5組」

おもしろくなさそうに涼が言った。


なんだ、ちゃんと聞いてたんじゃん。