「……だもん」

うつむいた大地が小さくなにかつぶやいた。

「え? 大地君、なんて言ったの?」

顔をのぞき込むと、その大きな目から涙がこぼれたところだった。

くちびるをふるわせて、ぐっとこらえている。

「ほっとけ」

ベンチに座りなおした涼が足を組んでそっぽを向く。


もう……しょうがないなぁ。


「この学校……だもん」

「この学校?」

「……う……」