「ダメ」

「フェイスブックには『どんな依頼でもお話は聞きます』って書いてあったもん。ひょっとして過大評価?」

「それを言うなら誇大広告、だろーが」

「とりあえず、話聞いて」

「ダメだって言ってんだろーが! しつこい!」

椅子から立ちあがると涼は怒鳴った。


大きな声にびっくりしたのか、大地が息を呑む音が聞こえた。


一瞬でメガネ越しの瞳に涙がぶわっとたまる。

「ちょ、涼。いいじゃないの、とりあえず話だけでも聞いてあげようよ」

「なんだよ、未希まで。いいか、俺たちはこの高校に通ってる生徒の悩みを解決するための活動をしてるんだ。こんなガキの悩みなんて聞いてるヒマはない」