まっすぐに私を見て不思議そうな顔をしている。


バッ!


突然立ちあがった私に、萌絵が、
「ひゃあ」
と声を出した。


立ちあがっても目線はそらせなかった。


「どうしたの?」

萌絵の声は聞こえるが、私はまだ彼を見ていた。


そのまま言う。


「もう戻ろう」

「え?」

「行こ」