「なるほど」

紅葉の木を見あげながら校長先生は目を細めた。

場所を紅葉の木の下に移動してきた私たち。

「校長先生、怖くないんすか?」

涼が尋ねると、校長先生は、

「はっはっは」と、おかしそうに笑った。

「私くらいの歳になると、そんな怖いものなんてないもんだよ。どんなことでも受け入れる度量ができちゃったからねぇ」

「でも、おかしくないですか?」

亜実が言うと、校長先生は肩をすくめた。

「受け入れなさい」

「あー、もう頭おかしくなりそうだよ」

イライラと涼が髪をかいた。