「……会えませんでした」

亜実が静かに答えた。

「いいか、よく聞けよ」

そう言う涼は、


ガシッ


両手で私の肩をつかんできた。


か、顔が近い……。


「恩田楓、なんて生徒はいなかった」


え……?


「意味が……」

亜実がなにやら冊子を両手で掲げた。

「この生徒名簿にも載っていないんですよ」