近づいて、ふたりの顔色がいつもと違うことに気づいた。


これまでにない真剣な顔をしている。


「え、なに? なんかあったの?」

廊下の窓から外を見る。


大丈夫。


あの木はまだ同じ場所にある。

河合さんの家は解体工事の真っ最中。


「未希」

涼が近づいてくる。

「未希さん」

亜実まで。

「……怖いんですけど」