「父さん、全部捨てられる?」

「全部……?」

「このゴミも、思い出も全部」

「……」

「全部捨てて、もう一度俺と親子をやり直そう」

私は信じられない展開に、思わず隣の萌絵を見た。

萌絵の顔は、ぐしゃぐしゃにゆがんていた。

「ヴヴ……よがっだねぇ」


号泣している……。


「この家を売って俺の家で一緒に住もう。たいして広い家じゃないけどさ、そうすることで救われる命があるんだよ」

「命?」