「雅紀……なのか?」

信じられない、と言った顔で言う河合に雅紀と呼ばれた男性はうなずいた。

「父さんは変わらないな。この家は変わっちゃったけど」


呆然とする河合が動かないので、私は楓に手を振ってこっちへ呼んだ。

おっかなびっくり近づく楓は、状況が理解できていないよう。

「占いのカードでね、“問題を解決するためのヒント”が『子供』の絵だったの。文字通り【子供】の意味。だから、亜実さんに市役所で調べてもらって、息子さんを連れて来てもらったってわけ」

と、説明した。

「でも、市役所ってそんな簡単に人の住所教えてくれるものですか?」

その質問、よくわかる。