「で、どうなった?」

涼が聞くと、亜実は、

「もちろん。来られています」

と、リムジンのドアを指さした。

さっきまでトラックの運転席にいた執事が、いつの間にかリムジンのそばに立って、静かにドアを開ける。


そこから降りたのは、スーツを着た30過ぎと思われる男性だった。


彼は驚いたように門の中を見まわしてから中に入って来た。

河合が近づく人影に顔をあげる。

そして、目を見開いた。

「そんな……」

男性は大きくため息をつくと、息を吐き出しながら口を開く。

「ただいま、父さん」