隣の主婦があわてて窓を閉めてカーテンを引いた。

涼は気にもせずにゴミを片づけている。

「おい!」

ゴミをかきわけながら河合が涼のほうへ歩み寄るのを確認して、私は門の方を見る。


萌絵が今、すばやく入ってくるところだった。


「気をつけて」

口だけで伝えるメッセージに、萌絵は親指をあげてうなずくと玄関へダッシュ。

さすがに運動部だけあって早い。


あっという間に玄関にたどりつくと、開いていたドアを閉めて前に立ちはだかった。