ガタゴトやっていると、あの隣の主婦が窓を開けて感嘆の声をあげた。

「ウソ! 掃除してくれてるの!? どうやって了解を得たの。すごい、すごいわ!」

興奮したようにまくしたてるので、涼がひとこと、

「許可とってないっす。勝手にやってます」

と、教えてあげた。

「え……。だ、大丈夫なの?」

「さぁ。でも、いないみたいですし」

涼がそう答えた瞬間だった。


バンッ


すごい音がして、60歳くらいの男性が家から出てきた。

この人が河合さんか、と認識するよりも早く、

「お前ら、人んちでなにやってんだ!」

と、いうすごい怒鳴り声が耳を驚かせた。