「未希、作戦通りにいくぞ」

「了解、ボス」

ふざけて親指をあげてみせるとパコーンと頭をはたかれた。

「マジメにやれ、マジメに」

「はーい」


ブオオオオオオ


後ろから音がして振り向くと、大きなトラックがガタガタとやって来た。

「これでよろしいですか?」

運転席から声をかけたのは、亜実のリムジンに乗っていた執事だった。

大型トラックなのに、スーツ姿で運転しているのがおもしろい。

「ありがとう。助かります」

私が声をかけると、トラックの荷台がモーター音とともに開いた。


中身は空っぽだ。