「思い出……。そうかも……」

「良かったら話してくれないかな?」

私の声に、楓は少しだけ目を閉じた。


ザザッ


また風が吹いた。


1枚の赤がゆっくりと私の目の前に落ちた。


それを手に取って見ていると、

「私……」

と、ためらうような楓の声が聞こえた。

「この木の下で恋をしたの」

「恋……」