月曜日の放課後、あの場所へ私は向かう。

紅葉の木はこの数日の寒さで、一気に赤く染まりつつある。


それを見あげているのは、楓だった。


楓は私に気づくと、せつなく表情をゆるませた。

「やはり、ダメだった?」

そう言う楓に、私は静かに首をふる。

「まだわからないの。今、亜実さんが必死で動いてくれている。だけど、良い結果になる保証もないのが実際のところ」

「そうですか……。うまくいくといいな」

ふたたび楓が木をあおぎ見ると、ひときわ強い風が吹いて赤が揺れた。


まるで木が、楓の声に答えているよう。