「少し揺れることもありますから、お気をつけくださいね」

運ばれてきたぶどうジュースのグラスを持ちあげた。


ここは……。


「リムジンってすげーな。食事までできるのかよ」

ジュースを一気に飲み干すと、涼が感嘆の声をようやくあげた。


そう、ここは亜実の家所有のリムジンの中。


四方が高級なレザー製の黒色のソファ。

真ん中に長細いテーブルがあり、天井にはシャンデリアみたいなものまである。

「ここなら情報が漏れることはありませんから」

亜実は慣れているのだろう、優雅に食事をはじめている。

私も、なんだかよくわからない食材を口に運んでみる。