「どうしたの?」

「そんなことしたら話がややこしくなるって」

「そうかなぁ」

不満そうな萌絵を置いておいて、もう一度その家を見る。

門の中には、バケツやらプラスチックケース、標識やらが山積みになっている。

庭にも大量のゴミが置かれていて、それらが悪臭を放っている。

見ると、窓の内側も見えないほど家の中もゴミだらけの様子。


すると、隣の家から主婦と思わしき人が出てきた。

「ありがとうございました」

亜実がにこやかにあいさつをする。

同意書のことを言っているのだろう。