声は聞こえないけれど、彼に言葉をはさむスキも与えないくらい必死でしゃべっている。

いたたまれない、ってこういう時のことなんだ。

胸のざわめきが大きくなっているようで苦しい。

自分でも気づかないうちに立ちあがると、そのまま校舎に向けて歩き出していた。


___彼が女の子といた。


それが、こんなにショックなんて。


校舎の入り口まで来ると、ようやく足を止めることができた。

走ったわけでもないのに息があがっている。

しばらく息を整えていると、地面にいくつもの染みが生まれているのが見えた。


雨が降り出したんだ。