「ビビりすぎだって。ね、日曜日にどこ行くの?」

「そういう萌絵こそ」


途中まで言いかけて気づく。


萌絵が肩からぶらさげているのは、柔道着だった。

黒い帯でまとめている。

「あ、部活?」

「そ。大会近いからねぇ。それより未希は? まさか、『お助け倶楽部』?」

「……まぁ、そんなもの」

「へぇ、今度のはどんな依頼なの?」

目を輝かせた萌絵が迫ってくるのでのけぞる。

「依頼の情報は教えちゃだめなんだってさ」